高山祭について

秋の高山祭

高山祭とは、春の「山王祭(さんのうまつり)」と秋の「八幡祭(はちまんまつり)」、二つの祭をさす総称で、16世紀後半から17世紀の発祥とされています。幾多の変遷を経ながらも、江戸時代の面影を残す伝統行事として、今日まで受け継がれてきました。

このうち、高山を秋の彩りで染める「八幡祭」は、旧高山城下町北半分の氏神様である櫻山八幡宮の例祭です。
毎年10月9日・10日になると、安川通りの北側に11台の屋台が登場。屋台が町を巡る曳き廻しや布袋台のからくり奉納・時代絵巻さながらのご神幸行列などの伝統的な祭行事が楽しめます。

秋の高山祭

秋の高山祭

秋の高山祭

秋の高山祭

祭までの行事

祭事始祭(まつりごとはじめさい)

毎年8月1日に行われる祭りで、この日より年行司(その年の祭りを取り仕切る)の祭りに向けての準備が始まります。

屋台やわいと屋台囃子練習

祭りの半月くらい前から、各屋台組では「屋台やわい」を行い胴幕や御簾・房始め装飾を取り付けます。
(やわいとは、準備を意味する飛騨弁)

また、組内の人々(老若男女)により屋台囃子の練習が始まり、夜毎笛太鼓の音色が聞こえると街の人は祭が近いことを感じるのです。

試楽祭及び屋台順番抽籤祭

例祭の前々日10月7日夜、八幡宮では試楽祭が斎行されます。

また、例祭当日の屋台曳行の順番などを決める「屋台順番抽籤祭」も合わせて執り行われます。

試楽祭 献餞

試楽祭 献餞

試楽祭 浦安の舞

試楽祭 浦安の舞

屋台順番抽籤祭 宮司が御幣でくじを引く

屋台順番抽籤祭 宮司が御幣でくじを引く

伝統を受け継ぐ祭行事

例祭 10月9日・10日

例祭日早朝7時より、各屋台組の「順道場挨拶」が行われ例祭中の年行司からの指示に全て従うことを記した「誓詞」が読み上げられ、当番主任は捺印しこれに従うこととなります。

順道場(お旅所)

順道場(お旅所)

順道場挨拶

順道場挨拶

御神幸(祭行列)

獅子舞・闘鶏楽、裃姿の警固などに守られた「御分霊」は雅楽や太々神楽の奏楽の音色とともに氏子町内を廻ります。
氏子及び地域の平安・安寧を祈る伝統の祭り行列です。
9日は午後に八幡宮を出発し下町を廻ります。10日は午前8時より途中お旅所を経由して夕方近くまでほぼ氏子全域を廻ります。

御神幸1(祭行列)

御神幸(祭行列)

御神幸2(祭行列)
御神幸3(祭行列)

屋台曳き揃え

屋台曳き揃え
秋の空の下、国の重要有形民俗文化財である八幡祭の屋台11台が曳き揃えられます。
9日・10日とも布袋台は八幡宮境内に、他の屋台は表参道に並びます。屋台彫刻や見送幕、構造の細部まで鑑賞できる機会とあって、多くの人々が屋台を囲み感嘆の声をあげています。

屋台曳き廻し

屋台曳き廻し
9日午後に行われる屋台曳き廻しは、秋の高山祭だけの貴重な行事。4台の屋台が八幡宮参道北の町内を順行します。
4台のうち神楽台・鳳凰台は毎年。残る2台は抽選により決定し曳き廻されます。

からくり奉納

からくり奉納
八幡宮境内では9日・10日とも1日2回、布袋台によるからくり奉納が披露されます。
2体の唐子が棒を渡って布袋様に飛び移り、布袋様が軍配を一振りする巧妙なからくりが見どころ。綱さばきによる動きとは思えない、人形たちの演技に魅了されます。

宵祭

八幡祭りのもうひとつの魅力が、9日の夕方から始まる「宵祭」です。
100個以上の提灯を灯した屋台が町中を廻ります。帰路には伝統の曳き分れ唄「高い山」を歌いながら、各屋台蔵へと帰って行きます。
ゆらゆら揺れる灯りが闇夜に映え、秋の情感をかきたててくれます。

宵祭 表参道

宵祭 表参道

宵祭 安川通り

宵祭 安川通り

八幡祭りが終わる頃、飛騨人は秋の気配を感じながら冬の準備へと気持ちを切り替えていきます。
豊穣や1年の無事に感謝して長い冬に備えるのです。

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