春の高山祭(山王祭)の屋台

恵比須台

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  • 恵比須台4
  • 恵比須台5

棟(屋根)を最上段に上げた容姿の美しさは屈指のもの、古い町並三町をいく屋台は高山祭の最高の景観。
名工・谷口与鹿作になる正面親子龍・手長足長像・飛龍唐獅子10体・牡丹彫刻が有名。
更に、異国の婦人が描かれる見送りは屋台組の自慢である。

屋台の特徴

Point 1屋台の特徴

切妻破風屋根、四輪内板車、異国風見送りに左右の手長足長像、下段の五つの半丸窓の龍彫刻。
高山で最も大きな屋台の一つ、狭い路地で回転を容易にした前後2つある戻し車。
屋台が700両で出来た時代、金具に1250両(現在価3億円)もの純金を注ぎ込んだ屋台。
屋台の役割

Point 2屋台の役割

屋台は木組み・車・台輪・漆塗り・金具・中幕張・彫刻・見送り・瓔珞・房・装飾と長い年月をかけ完成されてきました。
平成になってようやく完成した屋台が多い中、恵比須台は江戸時代から「完成型屋台」として他の屋台組の完成モデルとされてきた。
装飾の特徴

Point 3装飾の特徴

名工・谷口与鹿の親子龍・手長足長像が特に有名。京都祇園祭に見られる異国情緒ある見送り。
中段の猩々の血染めと組伝承される朱幕は百年経っても色あせず組自慢であった。「獅子・牡丹・蝶」三対組を意識し、唐獅子・牡丹に台紋「剣蔓柏」の中に蝶を人れたのは見事である。
見送り幕

Point 4見送り幕

幡見送りと言われる形式で、組伝承では「オランダからの密輸品」として伝わる貴重なもの。
近年の研究により、文化・文政時代、京都で流行した異国絵の一つで、西陣でゴプラン織りされたものと確認された。「異国婦人の川遊ひ」の風景で、川の上流には教会も描かれている。
屋台曳きの装束

Point 5屋台曳きの装束

基本屋台曳きは足軽の装束「カルサン」を身につけている。紺地背に菱柏葉紋、腰に雲の白抜き、籠目模様白抜き。法被は紺地背に「恵」文字、腰三つ引(三之町の意)であった。
近年カルサンは亀甲柄に茶色の染め抜きも使用。舵取(大デコ)は黄色の陣羽織。
天井絵

Point 6天井絵

絵は無いが金箔を敷いたシンプルなつくりである。
棟(屋根)を下段に下げた時、上段の恵比須神にあたるため、天井中央が中に二つ折れするからくりとなっている。
台紋と提灯

Point 7台紋と提灯

提灯には「献明鐙」と記される。「燈」でなく「鐙」なのは火事を嫌う「火伏せ」の意味から。
紋は台紋と神紋の2種を持つ。台紋は日枝神社から授かった「剣蔓柏」、神紋は恵比須紋である「蔓柏」である。屋台神も神話の「蛭子神」と江戸中期からの「恵比須神」の2体を祀る。
からくり 現在からくりは行われていないが、創建当時から、謡曲「芦刈」、狂言「花子」、謡曲「殺生石」と演目を変え、明治16年に行われた記録がある。
昭和初期まで屋台は「殺生石」とも呼ばれていた。現在は上段に屋台守神である恵比須神を配している。
屋台囃子 屋台囃子は屋台内部中段で5~6名により演奏される。笛・平胴太鼓・締め太鼓・摺り鉦が用いられる。
演奏曲は屋台囃子曲「大八崩し」曳き別れ曲「高い山から」の2曲である。恵比須台組の囃子は伝承が途切れること無く続いている。

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